人生の幸せと不幸せの割合は半分か。幸せの比率について。



スポンサーリンク

人生の幸せと不幸せの割合について

どこから発生したのかわかりませんが、人生における幸せの割合について、次のような説があります。

  • 「人生、一生の幸せと不幸せの数は同じである。」
  • 「人生において幸せの割合は決まっている。」

f:id:ikashiya:20160322213956j:plain

みなさんもしくはみなさんの周りにも、上記の説を支持している方がいるかもしれません。主婦の方を中心に流布されているように思います。


お分かりの通り具体的な根拠がないにも関わらず、なぜ一定数の支持を得ているのでしょうか。恐らくは実感があるから、つまり、思い当たる節があるから支持する方がいるのだと思います。


この実感が非常に重要なことでして、ここまで否定感たっぷりに書いているのでご察しかと思いますが、今回の記事では上記の説の否定を行います。なので最初に上記の説は妄信だとはっきりと言っておきます。


「人生においてせと不幸せの割合は半分。」は嘘です。


なぜ「人生においてせと不幸せの割合は半分。」が嘘かと言いますと、幸福心理学の根本であるところの「幸せは主観である。」を適用させます。


人が何を幸せと判断するかは、個人の主観に依存するというごくごく当然のことをもとに考えます。「幸せが主観によって決まるならば、人生の幸せと不幸せの割合は可変である。」ことがわかります。これ以上の説明は不要かもしれませんが、一応長ったらしく書いていきます。


人は人生を選択することはできますが、どのような選択をしたとしても、一通りの人生しか送れません。二通りの人生を送っている方はいませんよね(笑)。人の一生を終えた時点でそのストーリーを俯瞰で見る感覚で分析するとわかりやすいと思います。ストーリーを瞬刻で区切っていって、それぞれの区間に対して幸か不幸かを評価し、その割合が人生における幸せと不幸せの割合になります。


そして、「幸せが主観」だということは、「それぞれの区間を幸と思うか不幸と思うかは、その時点のストーリー主の主観によって決まる」ということになります。もう自明ですね。例えば100区間に分けたとして、前述のとおりそれぞれの区間に対する評価が主観、つまり可変であるとなれば、幸せと評価される区間の割合は0~100のいずれかの値となります。なので、人生の幸せと不幸せの割合は可変であることがわかると思います。


半分づつだと思っている人はその通りの人生になります

それでも、「世の中には不可避な力、不思議な力があり、なにがなんでも人生の幸せと不幸せの割合は半分なんだだ!」と言う方もいるかもしれません。時に妄信というのはそういうものです。


どう思うかは個人の自由なので、思想を強要するようなことはしませんが、一つだけ注意しておきたいことがあります。


人生の幸せと不幸せの割合は半分だと思っている人は、その通りの人生を送ることになります。


「その考えを捨てれば、不幸せの割合を減らせるにも関わらず」です。


なぜその通りの人生になるかというと、先ほどの実感ですね。そういう風に実感するようになってしまいます。以下は極論になりますが、イメージとして捉えていただければと思います。


例えばあなたが仕事の人間関係において、思わしくない状況に置かれているとします。「幸せは主観であり、不幸は幸せに変えることができる」と知っている場合は、人間関係を改善しようと努力することや、仕事を変えるなど、不幸せな状況から脱出を試みることができます。そしてそれは幸せな状況になるまで、繰り返し適用できることも理解出来ると思います。


しかし、「人生の幸せと不幸せの割合は半分だ」、「人生の幸せと不幸せの割合は変えることが出来ない」と考え、幸せは主観だと理解できない人は、それこそ自分が勝手に創りだした神の見えざる手によって、自分は今、不幸の最中にいるのだと判断します。つまりその人は、「人生の決まった割合によって、今は不幸の時期なんだと勝手に思い込んで、改善策があるにも関わらずそこに甘んじてしまう場合」が往々にしてあります。


まわりにいませんか、自分の勤めている会社がブラック企業だとか、自分は社畜だとかいいながら、全然会社を辞めない人。辞める辞める詐欺とかもそうですね。改善策が見えているにも関わらず、決して実行には移さない。


意識的か無意識的かはわかりませんが、知らず知らずのうちに悪説を妄信しているのと同様に、不幸に甘んじてしまっているケースも多いと思います。

人生の99%は幸せだと思おう

では肝心な部分です。どうすれば幸せの比率を増やせるのか。


答えは「幸福心理学を実践する」ですが、導入にも書いたとおり、ある日突然自分の人生に起こる様々なことに対して幸せに感じることができるようになることは不可能なので、文字通り段階的に幸せを増やすことになります。


その第一歩として、まずは「幸せは主観である」ということを意識して、「人生の99%は幸せにできる」と思うことが効果的だと思います。


これは宗教的な教えでもなんでもなく、「人生の99%は幸せにできるなら、今自分がいるこの不幸な状況は何らかの方法で打破できるはずだ」という考えも巡らすために有用です。この、現状に甘んじず、より幸せになるために改善策を考え、実行することが、幸せの比率を増やすことにつながります。


残り1%はどうにもならない不幸ですね。大切な人を失うなど、不可避の不幸があることは否定できないと思います。導入にも書きましたが、それまで幸に転じてしまうと、自分が生きやすいための秩序を乱すことにつながります。


汎用性の高い、パレートの法則の亜種(?)であるところの働きアリの法則、2-6-2の法則を持ちだして、幸せと不幸せの割合に適用する方もいるかもしれません。つまり、2割の幸せと2割の不幸せと6割の幸せでも不幸せでもない状態があるということですね。2割の不幸せはどうしようもない不幸せです。その場合も、「幸せは主観」であるならば、この「6割の幸せでも不幸せでもない状態」を「幸せな状態」に変えられるというイメージをもってもらえればわかりやすいかと思います。「幸せでも不幸せでもない状態」は「幸せにでも不幸せにでもなれる状態」です。その範囲において、不幸せであると決めてしまっている人が多い現状です。


どうしようもないものを除いて、何でもない可変であるものを幸せに変えていきましょうというのが、幸福心理学のなせる術です。

f:id:ikashiya:20160322214028j:plain

まとめ

一生の幸せと不幸せの割合は半分だという説は嘘です。人生において、幸せと不幸せの割合は決まっていません。それを決めるのは自分自身です。


幸せの割合は増やすためには、不幸せに甘んじないこと、不幸せだと思ったのならば行動をおこすことが大切です。前提として人生のほとんどは幸せにできると思えれば、現状を分析し、考えるきっかけが増えることになります。自分にとって今はベストか、ベターはないか、今を楽しみつつ、考える事をやめないことが、幸せな人生をおくるコツだと思います。