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手を「染める」お菓子~やめられないとまらないの魔術~


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もう食べるのやめにしようと思っていながらも、あと1枚あと1枚と、スナック菓子についつい手を伸ばしてしまった経験は、多くの人にあると思います。かっぱえびせんが「やめられないとまらない」のキャッチコピーでお馴染みのように、ハッピーターンの白い粉に中毒的な魅力を感じるように。


ではなぜ、ついつい食べてしまうのでしょうか。商品の美味しさはもちろん1つの理由だと思います。ちょっと考えてみますと、絶妙な塩加減(少し強めの塩味)と、一口の軽さから、いつまでも「ほどよい物足りなささ」が演出されているのではないか、という自論に行き着きました。


もちろん、ストレスなど精神状態が関与していたり、栄養バランスの偏りをはじめとする体の状態が原因の場合もあるでしょう。砂糖中毒、砂糖依存症なんて呼ばれる状態に陥っている可能性もあります。この場合は笑い話ではなく、ちゃんとした対処が必要です。でも今回はこの視点を抜きにした、「ついつい食べちゃう!」くらいの軽いやめられないとまらないの話。


1つの側面の話なので軽く読んでもらえればと思います。


先ほど「ほどよい物足りなささ」が演出されていると述べましたが、もう1つ「なるほど」という理由が見つかりました。いつものようにラジオを聴いていると、「お菓子を食べていると手が汚れて、洗うのも面倒くさいしどうせ汚れてるならとついつい食べちゃうよね~」という旨のトークが耳に飛び込んできました。妙に得心が行き、「手の汚れ」が「やめられないとまらない」に拍車をかけているのではないかいう説も、自分の中で建立されました。


つまりお菓子は、自身の油やクズで手を汚し、手を「染める」のです。染まった手は、もう汚れを気にすることなく、お菓子に手を伸ばすことができるのです。手がきれいな状態で汚れるのが自明なお菓子に触るのは、それなりの決心がいります。決心といえば大仰ですが、頑なにお菓子に直接触れずに食べようとする人が一定数いたり、ポテチ用のトングが発売されたりと、みな出来れば手を汚さずに食べたいのは事実です。でも1度汚れてしまえば?


妄想の中で実験してみます。食べて手が汚れるお菓子Aと、食べても手が汚れないお菓子Bがあるとします。味は同じとします。さあどちらを選ぶかという質問であれば、後者が圧倒的多数になること間違い無しです。


では目の前にどちらか1つだけあり、食べても食べなくても良いとし、被験者の心情も「食べても食べなくても良い」であればどうか。次に目の前にどちらか1つだけあり、被験者は猛烈に食べたいとします。食べた後、被験者は自身のスマートフォンで実験終了を伝えなくてはなりません。この時、1度食べるのをやめるまでに食べた量が多いのはどちらでしょうか。次に、目の前に食べて手が汚れるお菓子Aがあり、被験者は猛烈に食べたいとします。ただし被験者は「1枚食べるごとに手を拭かなくてはならない」グループと、「最後まで手を拭くことなく食べ続けて良い」グループに分けるとします。2つのグループを比較して、どのような傾向が見られるでしょうか。次に、次に・・・。


妄想の中で確固たる結論が出るよしもない実験を重ねていくと(するほどのことではないですが(笑))、予想がかたまっていきます。これを現実の「お菓子は手が汚れる」という事実のもとで整理します。


・手がきれいだと、手が汚れるお菓子に手を伸ばすのにはハードルがある
・よごれた手を拭くのは、食べるのをやめる契機になり、再びハードルも生む
・だが手を拭くのは手間だ
・手が汚れている状態のほうが、お菓子に手を伸ばすハードルが下がる
・手を拭かないと、やめる契機を得づらい
・手が汚れていると、満たされた欲求に余剰が生まれやすい
・もう少し食べようという余剰は、手を拭かなければならない目前でうまれやすい


実際に実験した結果をみてみたいですね。スナック菓子を手で食べる場合と、トングで食べる場合、どちらが多く食べる傾向があるかとか。手を拭く工程を挟んだ場合はどうかとか。


まとめると、手が汚れるお菓子は、手を「染める」ことによって、自身との親和性を高め、次々と手を伸ばすことへの心理的なハードルを下げる側面があると考えられます。手が汚れるというマイナス面をうまく利用して、やめられないとまらないの魔術を施すのです。こわわ、こわわ。


こういう風に書くと、寄生虫など「そういう生物」な気がしてきます。そういう虫、いそうですし。カマキリがハリガネムシによって自然と水辺に引き寄せられるように、僕達もお菓子によって、自然と手を伸ばさせられているのかもしれません。もっとも、お菓子に生命はありませんが。


・・・。


振り返ると、いるかもしれませんよ。あなたの後ろに。


ビスコが。



・蛇足of蛇足
気付けば3年ほどスナック菓子を食べていませんでした。どうやら魔術にはかかっていないようで、一安心です。さてこのブログではかなりの頻度でスイーツのレシピ記事が更新されていますね。あれ、ほんの一部で、しかも全部食べているわけです。あれ?別の魔術が?