新年をお祝いするフランス伝統菓子 ガレット・デ・ロワのレシピ!



スポンサーリンク

帰省にあたって家族と親族へのお土産に、年末は大晦日中の大晦日、と言うか明けまして新年早々に焼いた、新年をお祝いするフランス伝統菓子 ガレット・デ・ロワのレシピを記そうと思います。急ぎの作業で出来が良くないので、出さないでおこうと思っていたのですが、工程自体が正しければ作るに差し支えないですし、写真を見るとそこまで酷くないかなということで(笑)。


f:id:ikashiya:20170113000722j:plain


ガレット・デ・ロワのレシピ


材料

パート・フィユテ(フィユタージュ) 15cmx2台分
デトランプ
・準強力粉 260g(または薄力粉130g+強力粉130g)
・塩 少々
・牛乳または冷水 140g
・バター 30g
・折り込み用バター 200g
または
・市販の冷凍パイシート 100g×4枚


アーモンドクリーム(クレームダマンド)
・バター 100g
・粉砂糖 100g
・全卵 2個(100g)
・アーモンドパウダー 100g


その他・仕上げ
・アーモンド1粒また陶器製のフェーブ
・接着用の全卵または卵黄 適量(卵黄なら1個程度)
・照り用の卵黄 適量(1~2個程度)
・シロップ(水20g+グラニュー糖20g~)


パイ生地は、パート・フィユテを仕込んでもいいですし、お手軽に市販の冷凍パイシートでも作ることが出来ます。ただスーパーで売っている冷凍パイシートは、手作りに比べると、美味しくないのが難点です・・・。製菓用品店などで買える冷凍パイシートは美味しいものが多いので、機会がありましたらそちらでのお買い求めをおすすめします。


フェーブ(フランス語で空豆を意味する)を入れるのがガレット・デ・ロワの特徴です。要は“当たり”ですね。フェーブが当たった人は、王様(女王様)としてみんなから祝福されます。祝福を受けて、その1年間を幸せに過ごせるのだとか。ちなみに我が家では、母親が切り分ける際に一刀両断しました(笑)。誰も祝われることなく・・・真っ二つになったアーモンドが泣きそうな顔で、いたたまれなさそうにこちらを見てきました。


 準備 ・粉類は総じてふるって使う
・パート・フィユテのバター30gは湯煎(または電子レンジ)で溶かす
・折込用バターを作る(後述)
・アーモンドクリーム用のバターを室温で柔らかくしておく
・オーブンを200℃に予熱する


作業の際、ラップを使用しますが、家庭用のラップは切れやすく生地に混入しやすいので、光を当てるなどして逐次確認してくださいね。業務用ラップが、のびて切れにくいのでおすすめです。


作り方


冷凍パイシートを使用する際は、「アーモンドクリームを作る」と「成形・焼成・仕上げ」だけご覧ください。


折り込み用バターを作る


1. バターをラップにはさみ、ラップを折って1辺が10~12cmの正方形になるようにする(余白がある状態)
2. そのままめん棒でのばし、ラップの端まで均等な厚さにのばす
3. 打ち粉をして直接めん棒でのばし、10~12cmの正方形にしてもOK
4. 使用するまで冷蔵庫に置いておく

f:id:ikashiya:20170113000646j:plain

f:id:ikashiya:20170113000649j:plain

画像のようにラップではさんで、あらかじめ正方形を作ってあげると、めん棒でのばすだけで成形できます。


デトランプを作る


1. 台に準強力粉・塩をふるい、真ん中をあける
2. あけた真ん中に牛乳または冷水をいれ、縁から指で小さな円を描くように少しずつ混ぜていく
3. 水なら白っぽくなり、少し粘度が上がったら、湯煎で溶かしたバターを2回に分けて加え、その都度混ぜる
4. バターが混ざったらカードを使って、縁の方から真ん中に粉を集めていき、カードで切るようにして生地をまとめる
5. 粉っぽさがなくなったらひとまとめにして十字に切れ込みをいれ、冷蔵庫で最低1時間~2時間休ませる

f:id:ikashiya:20170113000634j:plain

f:id:ikashiya:20170113000638j:plain

f:id:ikashiya:20170113000641j:plain

ボウルでやってもいいのですが、台に広げるほうがやりやすいです。まとめた生地はなめらかでなくてOKです。表面がつるんとしていると、それは逆に混ぜすぎこねすぎです。あくまでカードで切るようにしながら、生地同士を無理なく押し付けるようにしてまとめていきます。グルテンを抑えるためにしっかり休ませましょう。


アーモンドクリームを作る


1. 柔らかくしたバターに粉砂糖を加えてすり混ぜる
2. 分離しないように卵を少しずつ加え、その都度よく乳化させる
3. アーモンドパウダーも加え、混ぜ合わせる
4. 使うまで冷蔵庫で保存しておく

f:id:ikashiya:20170113000704j:plain

f:id:ikashiya:20170113000708j:plain

卵は分離しないように、少量ずつ加えてしっかり混ぜます。他はそれほどしっかり混ぜなくても大丈夫です。


日本ではアーモンドクリームだけのものがよく作られる印象ですが、現地ではこれにカスタードクリーム(クレーム・パティシエール)を加えた、クレーム・フランジパーヌが人気のようです。お好みでぜひ。


パート・フィユテを仕上げる


1. 休ませたデトランプを取り出し、切れ込みからめん棒を当てて、真ん中が少し厚くなるように、折り込み用バターの大きさを考えて正方形状にばす
2. 折り込み用バターの角をデトランプの角と45度ずらして真ん中にのせ、デトランプの角を折りたたんでバターを包む
3. 中のバターが均等にのびるように、真ん中からめん棒を当てて上下交互に、少しずつ長方形にのばす
4. 長辺が短辺の3倍になったら三つ折りにする(三つ折りで正方形になる長さまでのばす)
5. 三つ折りにした生地を90度回転させ、同様にのばして三つ折りにする
6. ラップをして冷蔵庫で最低2時間休ませる
7. 4~6の工程を、再度繰り返す(ここまでで三つ折り合計4回)
8. 休ませた生地を再度長方形にのばして三つ折りにし、ラップをして冷蔵庫で最低2時間休ませる(ここまでで三つ折り合計5回)

f:id:ikashiya:20170113000653j:plain

f:id:ikashiya:20170113000656j:plain

f:id:ikashiya:20170113000700j:plain

最初にのばす時、デトランプのバターを包むように集めた生地が厚くなるので、下の方も少し厚めにしておきます。重要なのは少しずつ均等にのばしていくことと、しっかりと休ませること。休ませないとグルテンがどんどん生成され、生地ものびにくく扱いにくくなるので失敗します。打ち粉をするにしても、折り込む際は払って下さい。


成形・焼成・仕上げ


1. パート・フィユテを4分割にし、円にのばせるように角を丸くし、ラップをして冷蔵庫で30分休ませる
2. 取り出してめん棒で直径10cmほどの円にのばし、ラップをして冷蔵庫で30分休ませる
3. 取り出して直径15cmほどの円にのばす(2つはもう2つより少し大きめにする)
4. または直径15cmの円が4枚取れる程度の大きさにのばし、セルクルやお皿などで直径15cmの円を4つ切り出す(2つはもう2つより少し大きめにする)
5. オーブン用シートの上に生地を1枚のせ、2cmほど余白を残して、アーモンドクリームを丸口金でぐるぐると円状に絞る
6. 重ねて2~3段絞り、フェーブを埋める

f:id:ikashiya:20170113000712j:plain

7. 余白に接着用の卵黄を刷毛で塗る
8. もう1枚で覆い、空気が入らないように重ねる
9. 縁を指で抑えて接着する
10. 縁をさらに指2本で押さえて密着させ、2本の指の間にナイフで斜線状に切れ込みを入れ、切れた一方の生地を上にひねる(これを1周する)
11. 上下をひっくり返して照り用の卵黄を薄く塗り、ラップをせずに冷蔵庫で卵黄を乾燥させる

f:id:ikashiya:20170113000715j:plain

f:id:ikashiya:20170113000719j:plain

12. 照りを濃くしたい場合、11の工程をもう1度繰り返す
13. 卵黄が乾燥したらナイフで模様をつけていく(葉の模様、渦巻き模様、格子模様など)
14. 模様の線が重なる部分などに竹串で空気を逃がすための穴をいくつかあける
15. 200℃に予熱したオーブンで30分焼き、180℃に温度を下げて20分ほど焼く
16. 鍋に水とグラニュー糖を同量いれて火にかけ、ふつふつしてくるまで加熱し、シロップを作る
17. 焼きあがったら冷めないうちにシロップを全体に塗って完成!

f:id:ikashiya:20170113001827j:plain

焼き上がりのシルエット自体はすごく綺麗なんだけど、模様付けをミスして出来が台無しになるやーつね(笑)。格子状が無難です。


引き続きしっかりと休ませることと、生地同士をしっかり接着すること、全体的に均一を意識すればきれいにできます。お使いの冷凍パイシートによって個差もあると思いますので、焼き色を見つつ焼き時間は調整してください。


休ませる工程がかなり多いので、作るのに時間も手間もかかりますが、味は絶品です。本当に、格別の美味しさです。パート・フィユテには砂糖が入っておらず、パイ生地で食感も軽いため、バターを多量使っているにもかかわらず、まったく重くありません。手が止まらない止まらない。そのパイ生地の中にアーモンドクリームの間違いない美味しさ。なんなら1人でもペロリといけるくらいです。


家族や親族でガレット・デ・ロワを囲んで、誰にフェーブが当たるかでひと盛り上がりもありますし(うちは母親が一刀両断したのでありませんでしたが)、その後も口の中が幸せでいっぱいになります。


カトリック教会の信仰が盛んな地域では、公現祭の1月6日に、お菓子を切り分けて食べる習慣があるところがあるみたいです。フランスではその習慣としてガレット・デ・ロワが食べられます。1月6日を過ぎても、1月の終わり頃まで食べられますので、ぜひ作ってみてください!