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【飲食店】食器を増やしただけで回転率が上がった話


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飲食店まわりで仕事をしていますと、「アルバイトさんのパフォーマンスが悪く、食器の洗浄が滞って他に影響し、思ったようなオペレーションにならない」といった相談を受けることがあります。このような問題に対面したとき、僕がまず行うのが「食器の数のチェック」です。もちろんアルバイトさんの力不足もあるのですが、食器数の不足をはじめシステムの不備が拍車をかけている場合が多く、これを解消することで及第点まで持っていける場合がほとんどです。今回はそんな、食器を増やしただけで回転率が上がった話を、コラム程度に記そうと思います。


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食器の数が少ないとどういうことが起きるかを羅列してみます。

  1. すぐに必要な場合、少量で洗わなければならないため、洗浄機を圧迫する
  2. 洗浄機にかける回数が増える→1サイクルあたりの作業が増える→優先順位の決定が難しくなる→タスクが重なったときに対応できなくなるの多重苦
  3. 食器の種類を揃えて洗浄しづらいため、片付けなどが非効率的になる
  4. 催促により焦ったり洗浄が粗雑になり、食器を割りやすくなる&衛生管理のハードルが下がる
  5. 提供に必要なお皿を待つ段階になると、料理の提供スピード、回転率に影響する
  6. 催促や確認など他のスタッフが足を止める機会が多くなり、その分の時間がロスする


ただ食器が少し足りないだけなのに、これほどの影響がでてしまうのです。食器の種類も多様なので、少ない食器が多ければその分上記のデメリットを被ることになります。ですが現場において、往々にして食器はなかなか補充されません。


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なぜ食器を補充しようとしないかというと、大体この3つの理由が折り重なっています。

  1. 食器数の重要性を理解していない
  2. 目先の出費を嫌がる
  3. 他のスタッフは現状の食器数で間に合っている


まず食器数の重要性を理解していない、これが根幹にあります。ちゃんとしているお店では、お皿を割った数に記録をしたり、小さくて失くなりやすいものはクローズ時に数をチェックしたりしています。そして数が減ったときにいつでも補充できるように、予備をかならず用意しています。ですが管理の甘いお店では、なんとなく減ってきて実害が出てから発注をかけたり、重要メンバーが進言してはじめて補充されます。ここにあと2つの理由が関わってきます。


食器類は個々だけみると小額ですが、まとめて購入すると馬鹿にならない出費になります。値段はお店の価格帯やコンセプトによって様々ですが、大きな皿にもなると1つあたり3~5千円くらいはします。ちょっとした小皿でも数百円しますから、十個、数十個となってくるとお店にとっては痛い出費になります。本来であれば消耗品である食器類も計算に組み込んで採算が取れるようにするわけですが、飲食店の利益率は一般的に数パーセントでれば御の字という世界ですので、目先の出費を惜しみがちです。


「AさんやBさんは今のままで間に合っているよ。」


これもよく聞く文言です。多少食器数が足りなくても、慣れているスタッフは作業効率がいいため間に合ってしまします。(その陰には粗雑な扱いによる衛生的欠陥などがあるのですが・・・。)つまり食器数はぎりぎりだけれど足りていて、足りないのは特定のスタッフの力量だという主張です。確かに仕事ができるできないは個人によってありますが、安定したサービスを提供するにあたって「誰がやっても及第点となるシステム」作りはかかせません。例えば新しいスタッフが入ったとして、数回の研修を経てなお及第点に達せないようであれば、それは欠陥システムです。無論、料理やサービスには熟練度がありますが、基本的動作において人を選ぶようなシステムでは、人手不足の現代において安定した経営は望めません。


飲食店に限ったことではないですが、システムの欠陥に目を向けずに、人の力で補おうとする体制が未だに跋扈しています。


さて、あとはタイトルの通りなわけですが、実際に食器数を増やすと前述のポイントが解消されていきます。具体的には席数の2~3倍を目安に、回転数・各料理の提供状況に合わせて保持すべき食器数を決め、実際に営業してデータを取り、修正していきます。そして不足したときにいつでも補充できるようにしておきます。洗い場の連携もスムーズになり、優先順位もつけやすく余計な動作をしなくてもいいので、当のアルバイトさんのパフォーマンスもあがって、普通に間に合うようになりました。この問題において、食器を増やす以外の改善はしていません(このあとするのですが)。ただ食器数を増やしただけで、結果的に回転率も上がって、置換された時間で目を配ることが出来るのでサービスの向上も期待できます。そんなこんなで、飲食店における食器数の話でした。

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