当ブログのレシピ開発のプロセス、気をつけていることとか色々



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こんにちは、生かし屋(@sakihirocl)です。当ブログでは参考リンクをのせていない記事、つまりほぼすべてのレシピ記事が自前で作成したものになっています。たまに「どうやってレシピを作っているんですか?」という質問をいただくので、記事にまとめてみようと思います。料理ブログをやっている人や自分でレシピを作成したい人、またレシピをアレンジしたい人にとって少しでも参考になればと思います。



レシピ開発の流れ


普通のお料理とお菓子作りでは少し流れが違います。まずは普通のお料理から。


料理は行き当たりばったり


当ブログではお菓子のレシピがメインですが、お菓子作りに関してはプロではありません。好きがこうじてこうしてお菓子メインでブログを書いていますが、プロなのは普通の料理のほうです。ではなぜ料理のレシピ記事が少なく説明も詳細でないかというと、料理は行き当たりばったりだからです。普通の料理のレシピ作成工程は次の通りになります。

  1. ベースとなる料理を想起する
  2. 方向性・アレンジポイント・こだわりポイントを考える
  3. 分量に見当をつけて実際に作ってみる
  4. 最終的には味見をしてレシピの一例を作成する
  5. 変数を考慮して分量をレシピにおこす


例えばこの鰯のベッカフィーコを例に見てみます。



ベッカフィーコとは主に鰯を使った香味パン粉焼きで、構成要素は鰯・香味パン粉・柑橘系・ローリエが一般的です。ベッカフィーコではパン粉を俵型にしてそれを鰯で巻いて焼くものや、上の記事のようにただパン粉をつけて焼くものがあります。鰯を台頭させたいこと、俵型にしたパン粉をまとめたものは油っぽくなりがちなことを念頭にこだわりポイント・方向性を後者に定めました。材料自体はベーシックなものとし、爪楊枝をベッカフィーコ=小鳥の尻尾に見立てて、かつひょいひょい食べやすいように設置することをアレンジポイントにしました。


方向性が決まれば、分量に見当をつけて実際に作っていきます。作るときには「同じ工程の中でどうすれば美味しくなるか」を考えます。上の記事でいうと差が出るポイントは、新鮮な鰯を使うこと・にんにくの加熱の仕方・イタリアンパセリを入れるタイミング(色の出方に違い)などですね。作っている途中から味見をしながら、最終的に食べて「美味しい!」と思えばレシピの雛形を作成します。どの状況で作っても美味しく作れるように、変数を考慮して分量を決定または備考を追加します。上の記事で言えば幸い変数は少なく、鰯の大きさくらいです。大きい場合は3枚おろし、小さい場合は腹開きというように備考を追加して完成です。


行き当たりばったりというのは変数があるゆえですね。お菓子作りと違って材料をすべてグラムで示すわけではないので、大きさ・水分量・表面積など多様を極めます。それぞれによってベストな調味料の量が変わってきますので、料理をうまくレシピにおこすのはすごく難しいことだと思っています。なので重要なのは「どうしたら美味しくなるか」のポイントを理由付けてしっかり明記することだと思っています。


お菓子作りは決め打ち


普通の料理と違って、お菓子のレシピはすべて1g単位で明記されています。変数が少ないので、お菓子作りは決め打ちです。レシピ開発の流れはこちら。

  1. ベースとなるお菓子を想起する
  2. 方向性・アレンジポイント・こだわりポイントを考える
  3. そのお菓子の「基本の比率・作り方」をもとに分量・工程・焼き温度・焼き時間を決める
  4. 試作して試食する
  5. 改善ポイントを洗い出す
  6. 分量・工程・焼き温度・焼き時間を調整して試作し、レシピを完成させる


どの料理でも"ゼロ"から作るのは難しいことで、お菓子作りだとなおさらです。なのでそれぞれのお菓子の「基本比率」をもとに雛形を作成します。例えば有名なパウンドケーキなら「バター:砂糖:全卵:薄力粉=1:1:1:1」ですね。すべて1ポンドずつ使っていることから"パウンド"ケーキと名付けられました。工程もお決まりで、焼き時間も見当がつきます。この基本の比率・作り方をもとに方向性・アレンジポイント・こだわりポイントに沿って材料をプラスしたり分量を決めていきます。


材料を追加・分量を決定する際に気をつけていることは「理由・目的を明確にする」ことです。なんとなく粉の量を増やそうとか、なんとなくこれを足そうということはせずに、何をどのくらい加えればどういう理由でどんな完成形になるのかを考えます。例えば砂糖の一部をはちみつにする場合、砂糖に比べて甘さが1.3倍であること・焼き色がつきやすいこと・含蜜糖ゆえ生地がしっとりすることなどの特性を考慮して使います。変数を持った材料を加える際は特にですね。例えばにんじんを加える時は、にんじんの水分量が90%であることを念頭に、すり下ろしたことによってどのくらい水分が出るか見当をつけて粉の量を決定したりします。


なので材料の特性を理解すること、工程における理論を理解することが重要になってきます。これは同時に「美味しくするポイント」をおさえることにもつながります。


そしてお菓子作りは2回目からが本番です。1回目の改善点を反映させてより美味しいものが出来るように改良します。もちろん2回目で終わらない場合もあります。そのままボツになったレシピも数知れず・・・。普通のお料理が途中で味見して方向転換が出来ますが、お菓子作りは出来上がるまで分からないのが違いですね。


作りやすいレシピに


まだまだ改善点もあると思いますが、少しずつ作りやすいレシピになるように書き方を変えて言っています。

  1. 材料は使う順に並べる
  2. 準備をまとめて記す
  3. 工程にもグラム数を表示


その料理の一般的な作り方が分かっていれば作り方を見なくてもスムーズに作れるように、材料は使う順に並べています。材料だけ見れば同時に工程も分かるわけです。


いざ作り始めてから右往左往しないように、準備はまとめて記しています。使う器具もあったほうがいいのではとか、間延びするんじゃないかとか色々ありますね・・・。


最近ですが、工程にもグラム数を表示するようにしました。いちいち材料に戻らなくても作り方の中にあったほうが便利ですよね。


勝手にQ&A


疑問が出そうなところを勝手にQ&Aしていきます(笑)。


なぜ5g刻みなの?


なぜ全部5g刻みなの?13gとかのほうがベストの時とかないの?と思うかもしれません。その通り、恐らくベストは1g刻みで存在します。でも実際に作ってみると、5g以内の違いだとほとんど差がでないんですよね。比率で雛形を作成するので、自然と5g刻みになります。そこから修正するにしても10g単位が多く、結果美味しく出来ればそのグラムで決定なので特段1g単位で修正する必要はないんです。


逆に言うとはじめの比率で24gなど5g刻みじゃないとしても、修正する必要がなければそのままというわけです。また各材料の量が少ない場合は1g単位で違いがでやすいので細かく調整します。


なぜ型にぴったりおさまる分量になるの?


僕が型にぴったりおさまる分量に調整しているのではなく、そのお菓子の基本配合に合うように型が作られているんですよね。なので「このくらいかな?」と見当がつけやすいんです。


かなりオリジナリティがあったり、特殊な型の場合は気合で合わせに行きます(笑)。


甘さはどうやって決める?


基本比率からかけ離れたレシピやイチからレシピ作成する場合、砂糖の量ってどうやって決めるのか、これが結構難しいんです。比重によって割合も違いますし、他の材料との兼ね合いでも甘さの感じ方は違います。経験である程度予想はつきますから「このへんかな?」という量で作ってみて、焼く前の生地を舐めます(笑)。もちろん焼く前の生地の甘さ=焼いたあとの生地の甘さではありませんが、大体分かります。最終的には試食して修正します。


さいごに


たまに質問をいただいていたレシピ開発のプロセスを記してみました。料理は美味しくするポイントを知っているか知っていないかでかなり差が出るので、できるだけそのポイントをおさえたレシピにすることと、特性や理論を理解して明確な目的を持って材料・分量・工程を決めるようにしたいと思っています。