ディアマンのエッジ(縁が立った焼き上がり)に関するあれこれ①



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こんにちは、嵜山拓史(さきやまひろし)(@sakihirocl)です。今回はディアマン、周りにグラニュー糖をまぶして焼いたクッキーですね、のエッジに関するあれこれについて。


黒ごまのディアマン


エッジというのは↑のような、縁の盛り上がりのことをいうようです。SNSではこのエッジが出たほうが良いというイメージがあるらしく、今回はエッジの出し方とか諸々の比較について書いていきます。


そもそも前提として、

・エッジの程度(出やすさ・出にくさの上限)は配合による
・基本的な混ぜ方に注意する(混ぜすぎない)
・生地を良く寝かせる&冷やす
・エッジが出ないからといって失敗ではない


ある程度うまく作れれば、後は配合次第というところがあります。例えば水分量を上げたり下げたり、粉量を増やしたりするとあまり出ません(同じ粉量でも粉の吸水率でも変わります)。逆にいうとある程度バターはしっかり使う必要があります。

ちなみに卵の有無はあまり関係ないです。↓の上(黒ごまディアマン)が卵無し、下(かぼちゃ・紫芋ディアマン)が卵ありですがどちらも出ます。ただし卵ありの方が難易度が下がると思います。


黒ごまディアマン
かぼちゃ・紫芋ディアマン


さてここからがあれこれなんですが、まず普通のアイスボックスクッキーではエッジはほぼ出ないのに、なぜディアマンでは出るかというと、グラニュー糖の有無です。


グラニュー糖をつけて焼いたディアマンとつけないで焼いたディアマン


こちらは水分量を上げて焼いたエッジの出にくい配合の紅茶ディアマンですが、←はグラニュー糖をまぶしたもので少しエッジが出ています。→は全く同じ生地でグラニュー糖をまぶさず焼いたもの。エッジは出ていません。

詳しい機構については正直わからんって感じですが、焼く様子を見ていると中心が膨らんで(シルパンの場合)、同時にエッジが出てきます。普通のオーブン用シートの場合は中心が膨らむ分が台形に広がるって感じですかね(なので真ん中は凹みます)。グラニュー糖が生地の水分を取るなどして周りの生地が硬化し、中心が膨らむor下側が膨らむことで高低差が生まれると思っています。


ディアマンのシルパンとオーブン用シートの比較


ちなみに↑シルパンとオーブン用シートの比較。シルパンは垂直で、オーブン用シートは台形に広がっています。台形への広がりやすさは生地の温度・バターの配合量・カットの厚さによって変化します。


厚さを変えてカットしたディアマン
厚さを変えて焼いたディアマン


少し話がずれますが厚さについて触れておくと、同じ温度で厚さだけ変えて焼いたディアマン↑。厚い分にはエッジが出ますが、薄いとほぼ出ません。ある程度厚さがある、は条件になると思います。厚すぎるとシルパンでも台形になります。


さて話をグラニュー糖に戻して、試しにグラニュー糖のまぶし方を色々変えて焼いてみました。


グラニュー糖のまぶし方を色々変えた
グラニュー糖のまぶし方を色々変えて焼いたディアマン


・底にだけグラニュー糖をつける→エッジは出ない
・底と側面にグラニュー糖をつける→通常通りエッジが出る
・表面にだけグラニュー糖をつける→エッジは出ない、ひび割れる


グラニュー糖のまぶし方を色々変えた②
グラニュー糖のまぶし方を色々変えて焼いたディアマン②


・グラニュー糖が表面の縁にあまりつかないようにつける→エッジの幅が少し狭まる気がする
・グラニュー糖を表面の縁に少し広げるようにつける→エッジの幅が少し広がる気がする
・グラニュー糖を周りと、半分の表面につける→グラニュー糖がついた側がひび割れる、グラニュー糖が多くついている側のエッジの幅が少し広がる気がする


こんな感じになりました。水分がどうこうという予想があってるかあってないかは分かりませんが、グラニュー糖をまぶすというのは単純に表面にグラニュー糖がついているだけじゃなく、グラニュー糖ついている生地の状態を左右することが分かると思います。

エッジの幅についてはグラニュー糖がついていること自体がエッジに見えるので気がするという表現にしましたが、グラニュー糖をどのくらい表面側の縁につけるかで幅が左右されるとは思います。↓こんな感じ。


かぼちゃのディアマン、エッジの幅が広い


ということで配合や生地づくりを先天的(?)なエッジのあれこれだとすると、後天的(?)なエッジのあれこれについては、グラニュー糖のまぶし方とか、どのくらいまぶさっているかとか、細目グラニュー糖をつかっているか→生地との接地面積がどのくらいかとか、その辺も関わってくると思います。


大きさを変えて焼いたディアマン
ハート型のディアマン


ちなみにちなみに、またエッジが出にくい配合ですが、大きさを変える分にはエッジの出方にあまり影響はないようです。が、比率の問題で小さい方が単純にエッジがよく出ているように見えると思います。そしてハート型など円形以外でもエッジは出ますが、出方には形によって少しだけムラがでます(どこを中心に膨らむかの問題)。


焼き温度を変えて焼いたディアマン


ちなみにちなみにちなみに、焼成温度を変えてもエッジは出ます。←左から180℃・170℃・160℃、どれも20分焼きました。エッジの出方は同じだと思います。一応視覚的な効果として、周り&エッジによく焼き色がついていて、真ん中はあまり焼き色がついていないほうがエッジが出ているように見えます(笑)。

味について、これは紅茶のディアマンなんですが、180℃は焼き込んだ風味が強く紅茶の風味が弱く、170℃がバランスよく焼いた風味も紅茶の風味も感じられ、160℃は一番紅茶の風味が強いです。


ということでディアマンのエッジに関するあれこれでした。一応①としていますが、②は気が向いたらまたやります。