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なぜ飲食店は人手不足に陥るのか~原因と理由~

飲食店

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アルバイトするにあたって、候補の1つとなる飲食店。


求人広告には比較的良い条件が記載されています。


未経験者歓迎!
時給1100円!
食事付き!
希望通りのシフト制!


他の職種と比べて一見ハードルも低く、時給が高め、食事も付いてくる。これなら人手不足に悩むこともなさそうですが、飲食店は慢性的に人手不足に陥っているのが現状です。


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求人を出しても全く応募がないなんてことがざらにあります。応募者を全飲食店が挙って取り合うので、なかなかうまく行きません。加えてこの記事で取り扱う原因と理由で辞める人も多いので、たとえ応募者を確保できても人員の安定は困難です。


ではなぜ飲食店は人手不足に陥るのか、その原因と理由について、僕の実体験をもとに考察していきたいと思います。もっとも大きな問題は人間関係なのは事実ですが、単純に片付けてしまえる問題ではありません。


飲食店が人手不足に陥る原因と理由


意外に高いスキルが求められる


店によってかなり偏りがあるのですが、飲食店で「仕事ができる」人になるには、意外に高いスキルが求められます


未経験者歓迎!の文言に、「未経験でも出来るなら楽そう!」と思っていると痛い目を見るかもしれません。


ホール・キッチンともに次に何をすれば良いか、他の人の動きや次の展開をを考えながらベター、ベストを求めなければなりません。


アルバイト開始直後から人手不足を理由に高い成長率を期待され、右も左もわからないまま、論理性のない「自分で考えろ」を押し付けられることも往々にしてあります。


できないと怒られます。理由はお客さんに迷惑がかかるからだと言います。


あらゆるタスクを組み合わせて、現状と次の展望に最適化し、効率よく仕事ができるまでは時間を要します。


時には物理的に無理な課題を課されることもあります。そこに向かうために頑張ろうとも、物理的に無理な課題ですから当然達成はできません。意識的かどうかはわかりませんが、店側はその頑張りによってもたらされるベターな到達点を欲しています。


求められる仕事の効率に対して、当人のスキルが不足しているならば、当然仕事はハードになります。慣れてしまえば楽なのですが、この双方の認識の差が離職を生みます。


店によってはすごく楽なところもあります。ただしそういうところは長期間アルバイトが居座りますから、求人広告からアルバイトを探すと、部の悪いギャンブルになりかねません。


説明不足が目立つ


論理性のない「自分で考えろ」を押し付けられると前述しました通り、説明不足が目立ちます。


大抵の場合は自分で考えても出来ません。もしくはかなり時間を要します。なぜなら「自分で考えろ」という人と、入ったばかりのアルバイトでは、有している前提知識が違うからです。1つの事象があるとして、入ったばかりではさまざまな選択肢が頭に浮かびます。逆にある程度従事していると、条件によって絞り込まれるので最適な選択肢を選ぶことができます。これを考慮せずに、説明を省く事例が多く見受けられます。


また、効率化を求めるにも関わらず、自分で考えた方が良い結果をもたらすことと、教えてもらったほうが効率が良いことの違いがわからない方も多く見受けられます。後者の場合は、自分で考えた挙句、前提知識不足で遜色のある結果になります。結局説明が必要になります。非常に効率が悪いですし、加えて見下しなんかがはいると、理不尽感を抱きます。


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研修期間が向かい風


他の職種でもありますが、大抵の飲食店では、アルバイトに研修期間がつきまといす。50時間、150時間など時間制だったり1ヶ月など月単位だったり。長いところだと3ヶ月なんてところもあります。


なぜ研修期間が必要かというと、前述のとおり意外に高いスキルが求められるからです。覚えることも多いということも含みます。要は「はじめのうちは使い物にならない」という店側の認識の現れなんです。「時給1000円って書いてるけれど、はじめのうち、お前にそんな価値はないから」ということです。


この研修期間で、ハードな仕事内容と報酬のギャップに嫌気がさして、自分の中で従事期間を短く設定してしまう傾向があります。また研修期間内に辞めてしまう人もいます。


初日だけ来て次の勤務日には音信不通なんてこともしばしばあります。初日から来ないこともありますが(笑)。


人間っていうのはギャップに弱いんですよね。ポジティブな面でもネガティブな面でも。時給1050円だと頭で思っていて、研修期間で時給950円だと、モチベーションを保つのが難しくなります。このギャップにやられて早々に辞めてしまう人も多い印象です。


衛生観念が低い


不特定多数に料理を提供する飲食店は、本来、高い衛生観念を持つべきです。


実際は全く衛生に関して行き届いていません


これに関しては別の記事で恨みつらみを書いているのでどうぞ(笑)。


www.ikashiya.com


一部抜粋すると、生肉を触った手を洗わずに、またちょっと水洗いをしただけで他の物に躊躇なく触ることに、なんの抵抗も持っていない人が大勢います。


気にする人はこれを見ただけで早々に辞める決心をします。


僕自身はこれを改善する努力を一人ですごくします。何より自分のまかないに関しては死守します(笑)。「え、この状態でお客さんに提供するの・・・?」というようなガバガバな衛生が見受けられます。チェーン店などできちんとしているつもりでも、細部までは行き届いていません。衛生に関する意識は全体的に未熟な印象があります。


お客さんからは見てわからないですからね。嘆かわしい話です。


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拙速を求める


高いスキルや衛生ともかぶる内容なんですが、飲食店のアルバイトは時に拙速を求められます


僕がはじめてアルバイトをしたとこの事、丁寧に仕事をしていたら、「適当でいいんでもっと速く動いてください」と言われました。決して巧遅ではなかったはずです。丁寧ながらも速くこなすことは意識していました。しかしまだ足りなかったようです。


以前面接で、料理長の「僕は丁寧な仕事を好むんだ、雑なことはしてくれるな」という文言を聞いて、アルバイトに入ってから丁寧な仕事をしていたのですが、初日から「もっと速く!もっと速く!遅いなあ・・・。」と急かされました。料理長の仕事を観察していると、その仕事ぶりは「拙速」に値するものでした。


飲食従事者からしたら速くこなすことは当然なんでしょうが、拙速は様々な弊害をもたらします。調理にしても清掃や洗浄にしても、拙速は衛生の欠陥を生みます。怪我も多くなりますし、ミスも多くなります。それでも飲食店では「速い」ことを重視する傾向にあります。


なんでも速くこなす人の評価は高いですし、出来が少し劣っても気に留めません。


もちろん人柄や店によって偏りがあると思いますが、経験上、価格設定が1500円以下であれば拙速をもとめる方が多いと思います。


丁寧な仕事を好む方は、理念との食い違いに辞めてしまうことがあります。


システムの欠陥を人の力で補おうとする


飲食店の多くは、システムに改善の余地を多く残しています。しかしそれによって生じる問題を、システムを改善するのではなく、人の力で補おうとします


その結果、高いスキルや物理的に不可能な仕事量が求められることになります。


人によっては問題と改善策が見えているのですが、アルバイトの身で物申すのをはばかって放置するケースが多いです。


また報告しても、店側の矜持によって突っぱねられることが大半です。特に出費に過剰反応して、費用対効果を考えずに、お金を払うということに対して異常な拒否反応を示すことも、多くの飲食店で見て取れます。


結果的に設備に出資したほうが少し長い目で利益出るにもかかわらず、瞬刻の出費を嫌う傾向が、主に個人経営の飲食店に見られます。


システムの改善点を放置すると、従業員にしわ寄せがきます


そうなると高いスキルが求められたり、拙速が求められることになります。


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人手不足による負のスパイラル


これまで原因、理由に挙げてきた全て事がここに回帰します。人手不足になってしまうと、必ずしわ寄せがきます。人が足りないからといって、仕事量が減るわけではないですから、ひとりひとりの仕事量増えるか、店としてのパフォーマンを落とすしかないわけです。パフォーマンを落とすと客が減りますから、人手が足りなくてもまわりますが、そんなことは本末転倒です。なのでひとりひとりの仕事量を増やすしかなくなるのです。


そうなると高いスキルが必要ですし、拙速を求めますし、衛生管理なんてしている暇はありません。新しくアルバイトが入っても、自分の仕事に手がいっぱいで十分に仕事の説明ができませんし、仕事量が増えるならば研修期間も長く必要になります。


こうして、人手不足による負のスパイラルに陥るのです。


人件費削減による不信感


www.ikashiya.com


人件費の削減を理由に休憩時間・休憩回数・早上がりによる見込み給料との差違が不信感を募らせるケースも見受けられます。詳しくは上の記事を参照ください。


働き方・仕事に対する価値観の違い


店側とアルバイトの間には働き方・仕事に対する価値観の違いがつきものです。アルバイトにどこまで求めるかを店側は考えないと、人手不足につながります。詳しくはこちら。


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まとめ


現状、多くの飲食店が人手不足に陥っています。人手不足から抜け出すには、現状の問題点を把握して、思い切った改革が必要となります。しかし、これまた多くの飲食店が重い腰をあげようとしません。このままでは飲食店の労働環境はどんどん劣悪になってしまうのではないか、と懸念がつきません。


技術の進歩によって改善するところもありますが、従事している人間の意識を変えないことには、求人広告に飲食店の求人が少なくなることはないでしょう。