クリップオンストロボ1灯の料理写真の撮り方・ライティング【ソフトボックス・アンブレラなし】



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こんにちは、嵜山拓史(さきやまひろし)(@sakihirocl)です。今回は料理写真の取り方について!ソフトボックス・アンブレラなしの、クリップオンストロボ1灯で撮る料理写真ライティングということでお送りします。


別のブログに書こうと思ったのですが、料理ということでこちらに。普段本格的なカメラをさ触らない人にとっては、「クリップオンストロボ?」って感じだと思いますので、1つ目の項目だけ見ていただければと思います!


美味しそうな料理写真を撮るための「光の方向:半逆光」


まずこちらはストロボを使わなくても、スマホのカメラでも応用可能な「光の方向」の考え方です。これを覚えておくと、スマホのカメラでも美味しそうに撮ることができます。


料理を撮る時は基本的に半逆光で撮ります。半逆光とは、被写体(料理)の斜め後ろからさす光のことをいいます。


料理写真は半逆光が基本で、場合によって逆光や横からの光でもOK


見せたいイメージに合わせて、逆光や横からの光もOKです。


なので料理の写真を撮るときは、半逆光になるような光を探します。窓から差し込む光だったり、照明だったり。柔らかいほうがいいので、家で撮るなら窓の光がいいですね。


窓からの光で撮ったクッキーの写真
ISO400 シャッタースピード1/60 F8.0


例えばこれは、窓から差し込む光で撮ったクッキーの写真です。影の入り方から、斜め後ろから光があたっているのが分かると思います。


順光・部屋の明かりで撮った写真


かなり昔の写真ですが、部屋の明かりで斜め上から順光で撮った写真です。全体に光があたっていますが、上と比べるとぱっとしないと思います。


このように、料理写真は半逆光と覚えておくといいです。


横からの光で撮ったトマトパスタ横からの光で撮った貝のパスタ


イメージによってはばりばりの逆光や横からの光で撮るのもありです。上の2つは窓からの光が横から料理にあたっている様子です。


レンズ・ストロボの選び方


レンズは中望遠・出来ればマクロ


レンズは背景が圧縮できて、歪みが少なくかつ離れすぎない中望遠がいいです。換算50mm~120mmくらいかな?僕はほとんど90mmマクロで撮っています。できればマクロレンズだと寄っていろんな構図が撮れるので扱いやすいです。


俯瞰も撮るならラインナップ的に60mmマクロあたりが扱いやすくていいんじゃないかと思います。フルサイズだと特に寄れないですからね。


クリップオンストロボは安いのでOK


クリップオンストロボや純正でなくても、中華製のやっすいのでOKです。1番安いのだとNEEWER TT560 。3000円前後で買えます。



性能も加味するならYongnuoのYN560 III 。こちらはちょっと上がって6500円前後ですが、純正と比べれば何分の1だという安さで性能も申し分ありません。NEEWERでもいいですが、どちらかというとこちらYongnuoのYN560 IIIがおすすめです。

Canon/Nikon/Pentax/Olympus対応と書いていますが、SONYでも普通に使えますし使えています。発光量も純正に劣らず、普通に業務使用しています。



注意点・・・というか純正より劣る点として、まずどちらもマニュアル発光です。

自動で露出を調整してくれることはなく、自分で発光量を調整する必要があります。ただ、カメラ側の設定もマニュアルモードですし、逆にマニュアル発光のほうが便利で、あってもオートは使いません。

なのでEV、露出の段数は理解しておいたほうがいいかなと思います。


そしてハイスピードシンクロなど細かい機能はありません。ま、そんなに気にすることではありません。Yongnuoのはズーム等比較的充実はしています。


価格的にも耐久的にも使い捨てにはなるんですけど、コスパは最高です。当たり外れはあると思いますが、今使っているものも1万回ほど発光させていますが、全然大丈夫です。

あとクリップオンストロボはフル発光で使うと寿命が短くなるので、ここぞという時以外はフル発光を避けて使います。


ストロボはカメラにつけません


クリップオンストロボは「クリップオン」と付いていますが、あまりカメラにつけては使いません。人物撮影でそういう光を作る場合や、バウンス(壁や天井に当てて光量をかせぐ)場合意外はライトスタンドにつけて使います。


料理写真なら半逆光と、カメラと逆からの光源を光らす必要があるのでなおさらです。


なのでカメラとストロボをつなぐ、ワイヤレス・ラジオスレーブというのが必要になります。安いのだとこれまたYONGNUO製。価格は3000円ちょっとです。



ちゃんと技適マークも取得しています。逆に技適マークがないものを日本で使うのは違法です。

ちなみにこのYONGNUOのワイヤレス・ラジオスレーブは、上のYONGNUO製のクリップオンストロボであればクリップオンストロボ側につけることなく、1個で使うことが出来ます。


入門としてはクリップオンストロボ+ワイヤレス・ラジオスレーブ、あとライトスタンドがあれば便利(後述)なので、1万円強と言ったところですね。


ソフトボックスを買うなら、出来るだけ大きいもの・きちんとディフューズできるものがいいです。部屋の大きさや扱いやすさと相談になりますけどね・・・。


料理写真を撮る際のカメラ設定


カメラはマニュアルモードで使用します。暗いところをストロボの発光で照らすので、自動で露出を調整されたら困るのです。


シャッタースピードはだいたい1/200秒以下。なぜかというとカメラのストロボ同調速度というのがあって(α7ⅱだと1/250秒)、シャッタースピードが早いとシャッターをとじる様子、黒い帯が写っちゃうのです。

基本的に1/100秒でOKです。これはもう決めちゃいます。


続いて絞り。開放など小さいF値で撮るとボケるので雰囲気がよく、なんでも小さいF値で撮りがちですが、料理写真ではそれなりに絞ります


絞って撮ったバターサンドの写真 お皿の猫がわかる
ISO200 シャッタースピード1/80 F8.0


例えばこれはF8.0まで絞っています。逆にF2.8ではどうでしょうか。


開放で撮ったバターサンド、お皿の猫がボケてわかりにくい
ISO200 シャッタースピード1/80 F2.8


ストロボなしで、部屋の照明が入っているので微妙ですが、料理とお皿の様子をご覧ください。

ピントはバターサンドの角側で、アーモンドスライスすらボケています。サブレの表面の様子もよくわかりませんし、せっかく猫のお皿を使っているのに、猫がボケてしまって伝わってきません。catの文字も見えませんね。


つまり、料理やお皿・背景をどの程度説明したいかで絞りを決めるのです。


寄って撮るならなおさらです。いくらボケて雰囲気がよくなっても料理の説明が不足していれば、料理写真としてはあまりいいとはいえません。だいたいF5.6~F8あたりで撮ります。


その上でISO感度を決めますが、全体的な露出は若干アンダーめになるように調整します。なぜかというとお皿は白いことが多いので、白飛びしてしまわないように撮ってあとでおこすのです。

全体的に適正露出で撮ってしまうと、お皿が白飛びしてどうにもならない場合があります。なので撮影時はアンダーに取っておいて、あとで少し露出を上げてハイライトを下げ、全体の露出を調整するのです。


なのでストロボの光量によりますが、低いほうがいいのは間違いないのでISO100~400くらいで露出若干アンダーになるよう調整します。


クリップオンストロボ1灯のみの料理写真ライティング


さていよいよ料理を撮っていきます。一応お仕事でも飲食店のメニューやメディアへの料理写真を撮っているのですが、今回のコンセプトは「ラフ」なのでアンブレラもソフトボックスも使わずに撮ります。


クリップオンストロボ1灯でライトスタンドも使わない場合、ストロボを棚などに置いてライティングするといいです。高さは料理より上半逆光の位置にクリップオンストロボを立てて(付属品として足がついていて自立します)、天井に向けます


逆光の位置にクリップオンストロボを置いている様子
逆光の位置にクリップオンストロボを置いている様子 図解
逆光の位置に置いたクリップオンストロボ1灯で撮った写真
ISO200 シャッタースピード1/80 F7.1 TT560・光量1/2


今回はすべて比較のため、あとから編集を加えていない撮って出しの状態にしています。棚の位置的に半逆光ではなく逆光なんですが、こんな感じに写ります。使用したのはNEEWER TT560で、フル発光の1つ下の光量です。


環境光はなるべく入らないほうがいいので、部屋の電気を消して撮るといいですが、ピントが合わない・絞れない場合があるので環境に合わせて調整してください。ストロボの発光量が小さいと環境光の影響をより受けやすいので、その場合は注意が必要です。


料理写真では半逆光に加えて、「程よく全体に光がまわっている状態」も重要です。

半逆光の方向に置いたストロボで、発光源から直接半逆光に光が行くのと、天井や壁にバウンス全体的な光量もかせいでいるということです。


もうちょっと半逆光側に動かしてみましょうか。


逆光の位置に置いたクリップオンストロボ
逆光の位置に置いたクリップオンストロボ 図解
逆光の位置に置いたクリップオンストロボ1灯で撮った写真
ISO200 シャッタースピード1/80 F7.1 TT560・光量1/2


ピントはずれてますけど(笑)。半逆光ぎみになりました。お皿の影の入り方を見ていただけると分かりやすいと思います。


ちょっとかための光です。抹茶のような色合いを撮るならいいですが、ものによってはレフ板をストロボと対角に置いてシャドウをおこしてあげます


パンケーキのそばにレフ板を置いた様子

パンケーキの写真 レフ板なしパンケーキの写真 レフ板あり
左はレフ板なし、右がレフ板ありだが右はシャドウを起こしすぎて半逆光の良さが消えている例


かといってレフ板で起こしすぎると、上の写真のようにせっかくの半逆光の良さがなくなってしまいます。料理の形・高さ・光の質によって変わってきますので、美味しそうになる状態を選びます。


抹茶のブッセ 断面を見せる場合はレフ板が重要


例えばこのように、断面を見せたい場合。半逆光でさすと断面に対しては逆光になってしまいます。暗くなってせっかくの断面が暗くなるので、レフ板でおこしてあげて断面を見せる、というような時は特に有用です。


ちなみにレフ板は、よくあるスチレンボード2枚を合わせたり切れ込みを入れたりして作ってもいいですし、合わせるなら100円ショップの発泡スチロールでもOKです。



自立するのがあれば便利なので、いずれにせよもっておくと役立ちます。


大体の要領はお分かりいただけたでしょうか。これだと棚のあるところにしかクリップオンストロボを置けないので、続いてここにライトスタンドを加えます。


ちなみにこのブログの写真は次項の「クリップオンストロボ1灯+ライトスタンド」のみ撮っています。セッティングの時間をかけずに撮れるので便利です。


クリップオンストロボ1灯+ライトスタンドの料理写真ライティング


ライトスタンドがあると、任意の位置・向きにストロボを設置できるので便利です。安い物で、NEEWERの190cmのライトスタンドで十分です。価格は2000円弱。



アンブレラホルダーがあると便利ですが、クリップオンストロボについてくる台座にネジ穴が付いているので、とりあえずはなくても大丈夫です。


半逆光の位置にライトスタンドで立てたクリップオンストロボ
半逆光の位置にライトスタンドで立てたクリップオンストロボ 図解
半逆光の位置にライトスタンドで立てたクリップオンストロボで撮った抹茶のマドレーヌ
ISO200 シャッタースピード1/80 F7.1 YN560 III・光量1/2


YONGNUO製のYN560 IIIに切り替えました。ライトスタンドで180cmの高さ、カメラからみて右からの半逆光の位置でストロボは天井と壁の間に向けています。ちょっと実験してみましょう。


半逆光の位置にライトスタンドで立てたクリップオンストロボ 向きを料理と逆側に変えたバージョン
半逆光の位置にライトスタンドで立てたクリップオンストロボ 向きを料理と逆側に変えたバージョン 図解
半逆光の位置にライトスタンドで立てたクリップオンストロボ 向きを料理と逆側に変えたバージョンで撮った抹茶のマドレーヌ
ISO200 シャッタースピード1/80 F7.1 YN560 III・光量1/2


位置は同じで、ストロボの発光部の向きを料理と逆側にしてみました。比べてみると、ほとんど違いはありませんが、露出はほんのすこ~しだけさがって、光もほんのすこ~しだけ柔らかくなっていると思います。


左の半逆光の位置にライトスタンドで設置したクリップオンストロボ
左の半逆光の位置にライトスタンドで設置したクリップオンストロボ 図解
左の半逆光の位置にライトスタンドで設置したクリップオンストロボで撮った抹茶のマドレーヌ
ISO200 シャッタースピード1/80 F7.1 YN560 III・光量1/2


もう1つ。ストロボの位置をカメラから見て左側に移動して、ストロボの向きを料理とカメラの延長線の天井と壁の間に向けました。料理から見るとより発光部が見えています。

左からの半逆光で、光は結構かたい様子が見受けられます。


これらを見ると、以下のポイントが導き出されます。

  1. 光の方向はクリップオンストロボ発光部の向きに関わらず、設置位置で決まる
  2. 発光部の向きは料理と逆のほうが光が柔らかくなる
  3. その他、天井・壁からの距離や部屋の広さによって光のまわりかたは多少変化する


なのでクリップオンストロボ1灯+ライトスタンドの料理写真ライティングでは、


半逆光の位置にクリップオンストロボ&ライトスタンドを設置し、発光部を料理と逆に向ける


といいです。ま、部屋の大きさとかで多少かわってくるので、結局は自分で試していい感じに撮れる位置を模索するのが1番です。そのためのベースとして、上記を提案しておきます。


反射するものに注意


料理に向かって光がさしていますので、液体など表面が反射しやすいものであれば、角度によっては反射して全体が白くなってしまいます。


反射して白く写ってしまったトマト煮込み


こんな感じです。ちょっと角度が極端ですけどね。角度を変えてみましょう。


角度を変えて反射がなくなったトマト煮込み


はい、これで反射の映り込みがなくなりました。傘トレやソフトボックスで撮る場合は、スタンドを移動すれば反射する場所を変えることができますが、スタンドにクリップオンストロボを裸でつける場合は、こちら側が動いたほうが楽です。


スープ系・油が多いものなどは、反射にも気をつけて撮るようにすると美味しそうに撮れます。


反射を生かして撮ったホタテのクリーム煮


かと言って反射を完全になくすとのっぺりしがちです。なので上のホタテのクリーム煮のように、反射面を料理のメイン部からはずして後ろに持ってくるなど、反射を味方につけるとより高級感が出たりします。


気軽にストロボ撮影を


クリップオンストロボ1灯で撮る料理写真ライティングということで、ソフトボックスやアンブレラを使わずラフに撮る方法をお送りしました。また本格的なやつは別の機会に・・・。


抹茶ロール抹茶パウンドケーキ
今回の作例、なぜか抹茶ずくしである(笑)


ストロボを使わずに取ると、絞りきれずに料理がぼんやりしがちです。光量をまかなってあげることで、設定の選択肢が増えてワンランク上の料理写真になると思います。


バターサンド 商品撮影の例


料理だけでなく、ストロボを使えるようになると撮影の幅が広がります。その第1歩として、ぜひトライしてみてください!