ダイエットの話題に暇がない昨今、食事量の制限や炭水化物の制限、野菜の摂取に意識を置くと、どうしても忘れがちになるのがたんぱく質です。
野菜中心の生活で低カロリーの食事を心掛けていたり、忙しさにかまけて食事が簡易的になったりすることで、日本人はたんぱく質の摂取量が減少傾向にあります。
そこで、僕がたんぱく質を意識的に摂るためにしていることをご紹介します。そんなことか、というような簡易なことですが、意識することにも意義があると思うので是非お付き合いください。
たんぱく質の不足はどんな影響を及ぼすの?
たんぱく質が不足することによって身体にどのような影響があるのか。
たんぱく質の役割
・肌や筋肉など体を構成する組織の材料となる
・触媒や酵素、ホルモン、神経伝達物質を構成
・免疫機能を高める
人間の体は15%がたんぱく質でできており、3分の2を占める水についで高い割合となっています。このたんぱく質から髪や皮膚、筋肉、内蔵、血管などの体の組織は出来ており、たんぱく質が不足すると当然これらに影響を及ぼします。
また、生命活動において重要な役割を果たす機能に関しても、たんぱく質は重要な役割を果たしています。
たんぱく質のもとのなるのはアミノ酸で、人間の体をつくる20種類のアミノ酸の内、9種類は必須アミノ酸とされ、体内で十分な量を合成できないために外からの摂取が必要となります。
たんぱく質の摂取不足による影響
・むくみ
たんぱく質が不足することで、体内に水分がたまりやすくなります。これは血液中の余分な水分を排出する役割を持った、肝臓で合成されるアルブミンというたんぱく質が不足することに起因します。アルブミンは血液を流れている血清タンパク質の過半数を占めており、不足により様々な病気や身体機能の低下の原因になります。
・肌、髪、爪に影響
皮膚や髪の毛、爪を構成しているのもたんぱく質です。聞き馴染みのあるコラーゲンもたんぱく質です。不足すると肌荒れをはじめとする肌のトラブルにつながります。髪の毛や爪もケラチンと呼ばれるタンパク質から構成されているので、不足による影響を受けます。
・筋肉に影響
筋肉を構成しているのもたんぱく質です。不足することにより筋肉が減少します。筋肉の修復にもたんぱく質が分解されできるアミノ酸が必要になります。筋肉量の減少は代謝を落とし、これが疲れやすさや肥満の原因となります。太りやすく痩せにくい体にもなり、ダイエットの失敗の素とも言えます。
・貧血
赤血球中のヘモグロビンを構成するのもたんぱく質です。不足することで貧血につながります。
・免疫力低下
免疫細胞を作っているのもたんぱく質です。寿命の短い免疫細胞はたんぱく質の不足によって新たに作られる数が少なくなります。
・神経伝達物質に影響
快の感情、意欲、学習などに関わるドーパミンや、精神の安定や睡眠、体温調節などに関わるセロトニンなどの神経伝達物質にも影響します。セロトニン不足はうつ病の原因ともなっており、心への影響もたんぱく質の不足が関わっています。
一日の摂取量
自分の体重1kgあたり1g強が摂取目安量となります。運動する方はより多くの摂取が必要です。
たんぱく質が含まれている食品を知ろう
たんぱく質には動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。それぞれを含む食品は以下の例があります。
動物性タンパク質
動物性タンパク質は体内で活用率が高く、必要なタンパク質が十分に含まれています。その代わり、脂肪も多く含まれています。
動物性タンパク質を含むのは、肉・魚・卵・乳製品です。
牛肉、豚肉、鶏肉、卵、魚介類、牛乳、チーズなど。肉類の中でも豚ヒレ肉、ささみ、鳥胸肉などは高タンパク低カロリーになっています。脂肪が多いと前述しましたが、EPAやDHAなど、有効に働く脂肪もあり、これらは魚類に多く含まれています。
植物性タンパク質
植物性タンパク質は体内での利用率は動物性タンパク質に劣りますが、脂肪の量は少なくなっています。
植物性タンパク質を含むのは主に豆類・穀類です。納豆や豆腐など、ちょっとした1品に適しています。特に納豆はたんぱく質が多く含まれています。豆類は低カロリーなたんぱく質源となります。主食のご飯やパン、麺類にも少量ですがたんぱく質が含まれています。
アミノ酸スコア
食品中の必須アミノ酸の含有比率を評価するアミノ酸スコアというものがあり、たんぱく質を摂取する際の指標の1つになります。
肉類はどれも優秀で100をマークしています。牛乳、卵も100となっています。魚類もあじ、いわし、かつおなど、多くが100をマークしています。豆類は納豆、枝豆、おからなどが高水準となっています。
詳しくはアミノ酸スコアで検索にかけてみてください。
たんぱく質を意識的に摂るために
たんぱく質が不足しないためにどうすればよいか。
いつもの食事にたんぱく質の含む食品を追加する
一番大切なのは毎食、どのようなものを食べるか、栄養面から意識することです。毎食の食事にたんぱく質を含む食品を追加で入れてみましょう。サラダにゆで卵を入れようとか、鍋に豆腐を入れようとか。
そうすることで慢性的なたんぱく質の不足は解消されますし、たんぱく質を含む食品には旨味を持つものも多いので、料理自体が美味しくいただけます。
あと一品を追加する
納豆や冷奴、ゆで卵やスクランブルエッグに目玉焼きなど、短時間で用意できて一品になるものを食卓に追加してみましょう。
あまり手間をかけることなくたんぱく質を摂ることができますし、食卓が見栄えします。一品だとカロリー過多にもなりにくいのでおすすめです。
飲み物の一部を豆乳や牛乳に置換する
例えば朝食のコーヒーの前に、目覚めの一杯として豆乳や牛乳を少し口にするなど、いつもの飲み物の一部を置換するのも微力ですがたんぱく質摂取の助力となります。
たんぱく源は分散させる
高タンパク低カロリーだからという理由でささみばかり食べるというように、たんぱく源を一つに絞るのではなく、肉類・魚介類・卵・豆類・豆乳など様々な食品に分散させます。こうすることでそれに付随する多様な栄養が摂れ、たんぱく質以外の栄養面でも大きな恩恵が得られます。
まとめ
まずは自分の食事を意識し、どのような栄養が不足しているか把握することが重要だと思います。その上で一工夫してその栄養が摂れるように、その契機となればよいなと思ってこの記事を書きました。
健康あっての人生なので、自分の栄養について再考する機会を設けてみてはいかがでしょうか。