山食パン(ストレート法)のレシピ



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こんにちは、嵜山拓史(さきやまひろし)(@sakihirocl)です。今回は山食パン(ストレート法)のレシピ!


山食パン(ストレート法)


動画でもご覧いただけます↓


材料


ベーカーズパーセント(合計:194)
・強力粉 100
・砂糖 8
・スキムミルク 3
・塩 2
・インスタントドライイースト 1
・水 72
・バター 8

粉300での分量
・強力粉 300g
・砂糖 24g
・スキムミルク 9g
・塩 6g
・インスタントドライイースト 3g
・水 216g
・バター 24g


ストレート法ははじめに材料をすべて合わせる方法で、

メリット:短時間で出来る、風味が良い
デメリット:ボリュームが出にくい、でんぷんの老化がはやい=すぐぱさつく

という特徴があります。

山食パンでは窯伸びしやすい「スーパーキング」や「ゴールデンヨット」、個人的には老化が遅く風味もいいし窯伸びもいいし作業もしやすい「ベルムーラン」がおすすめです。

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型生地比容積3.5(3.3~3.7くらいで調整)

3.7→ふわふわ、3.5→しっとり、3.3→みっちり


自分の持っている型に合わせて生地量を調整します。同じ1斤の表記でも型によって全然違うので必須で、この型と容量と生地の比率を型生地比容積といいます。


型の容量÷型生地比容積=生地量

例:1625ml(1斤弱)÷3.5=約464g
3つに分けて入れる場合は1つあたり464÷3=155gになります。


型生地比容積の目安
角食:3.8~4
山食:3.6前後
(数字が大きいほどふわふわで、数字が小さいほどみっちり)


ベーカーズパーセントと比容積からレシピの調整も出来ますが、計算が面倒なので粉300gとか多めに作って生地量を食パンに使い、残りの生地は丸パンなどにすると楽だし無駄になりません。

型生地比容積についてより詳しくは↓



作り方


1. 【生地作り~1次発酵】バター以外の材料をすべて合わせてグルテン膜が出るまでこね、バターを加えてさらにこねる
2. より薄いグルテン膜が出るまでこね(こね上げ26℃目安)、丸めてボウルに入れてラップをし30℃で60分発酵させて、打ち粉をして台に取り出す
3. 上から押さえてガスを抜いて広げ、上下左右から3つ折り×2で折りたたみボウルに入れてラップをし、30℃で30分発酵させる
グルテン膜が張るこねあがり
3つ折りにするさらに3つ折りにしてパンチ終了
4. 【分割~ベンチタイム】生地量の1/3ずつに分割してガスを抜き、きれいな面が外側にし表面を張らせるように丸める
5. かたく絞った濡れ布巾をかけて25分ベンチタイム(生地をゆるめて成形しやすくする/残った生地は同様にして丸パンなどに活用)
分割丸め
6. 【成形~2次発酵】めん棒で長方形にのばしつつガスを抜き(周りの気泡は手で潰す)、上下から1/3折りたたんで生地をくっつける
7. 奥から手前に少し張らせるように巻いてとじる(最初芯を作り、トップを持って下にくっつけるイメージで3回転~3回転半)
8. 離型油を塗った型に端→真ん中の順で入れ、蓋をして35℃で50分を目安に2次発酵(オーブンで発酵させる場合は予熱時間を考慮しはやめに取り出す)
奥から1/3折りたたむ手前からも1/3折りたたむ
芯を作る巻く
巻き終わり型に詰める
9. 【焼成/180℃に予熱】生地が型のギリギリまで膨らんだら発酵完了、180℃に予熱したオーブンで焼成する
10. 180℃で30分を目安に焼き、焼き上がったら台に2~3回落として蒸気を抜き(腰折れを防ぐため)、すぐに取り出し冷ます
卵液を塗る焼き上がり、取り出す
山食パン(ストレート法)


こねはしっかり薄い膜が張るまで。ニーダーやHBを使う場合も、途中で何回か取り出して叩きごねを挟んで生地を均一にすると安定します。

1次発酵は60分+30分。途中でガス抜きして折りたたむ「パンチ」という工程を挟みます。理由はボリュームアップ。ストレート法はボリュームが出にくいのでコンセプトによってはパンチをしてボリュームを出します。


生地量から計算して計量し、それぞれ表面を張らせるように丸めてベンチタイム。乾燥しないように濡れ布巾をかけて、休ませることで生地をゆるめて成形しやすくなります。すぐ成形しちゃうとグルテンの弾力で元に戻ろうとし、めん棒でのばしてもうまくのびなかったり、成形後縮こまっちゃったりします。


成形は俵型もしくは丸めのみなどお好みで。少し食感や窯伸びが違います。ポイントはそれぞれ同じ力で同じように成形すること。成形時の力が違うと、焼いたときの膨らみも違ってきます。もし2つは同じように成形できて、1つだけちょっと違う力のかけかたしちゃったなという場合は、1つだけのを真ん中にするといいです。


くるくるの向き


型に入れる向きですが、↑で入れると窯伸びしたときに生地同士が割れにくくなりますが、思いっきり窯伸びさせる場合を除けば生地量と発酵の具合さえ適正なら基本的にはどんな向きでもほぼ変わりません。


2次発酵は生地の高さで判断。生地のトップが型のすれすれまで膨らめばOKで、こねや配合や発酵によって窯伸びが違ってくるので自分の中の基準を作っていくといいです。


焼成はオーブンや好みによって、200℃くらいで焼くのがいいという人もいるでしょうし、1.5斤や2斤なら時間を少し長くするといいですし、1回焼いてみて自分の環境によって要調整です。


窯伸び山食パン


ちなみに窯伸びさせたい場合はスチームをしたり霧吹きをしたりしてください。家庭用オーブンだと熱風が当たって窯伸びしにくいので、何回かトライして窯伸びする条件を探してみてね。ちなみに窯伸びさせると、内相の密度が減るのでしっとりというよりはふわふわな感じになります。


カットした
トーストしてバターをのせた


山食パンは角食よりは失敗しにくいと思いますが、山を揃えたり細かいところを気にしだすと成形の技術がいります。

ストレート法なので1日強くらいまでに食べきるか、食べきれない分は冷凍がおすすめ。自分で焼いたパンはまた格別の美味しさがありますので、ぜひ作ってみてください!